イギリス生まれのDJ/プロデューサーGareth EmeryのWhere Do We Go From Hereを和訳
先日5月29日にBrooklyn Mirageで開催されたMetropolis 2022。彼をはじめAly & Fila, Marlo, Tritonal, Ashley Wallbridgeらのトランス界を代表するDJ/プロデューサーが出演しました。
Gareth EmeryはMetropolis 2022の数日前にラスベガスでLSR/CITYというセットを披露しました。この曲が初めて披露されたのはこのライブでした。このLSR/CITYはlaserfaceの後継であるセットで、レーザープログラマー、VJを探すのに2年もの時間を費やしたそうです。laserfaceでは世界的に有名なレーザーデザイナーであるAnthony Garciaと連携しプロジェクトを進めていましたが、今回は彼とは連携せずに別のアーティストとのコラボとなります。
実は2021年からGareth Emeryは自身のNFTプロジェクトを進めていました。その名前もLSR/CITYとなっています。世界各国の都市をイメージした5つの作品をアップロードしており、その中には東京もあります。このNFTプロジェクトにはPhotonLaserというレーザーアーティストと、Ilya Tsvetkovという3Dアートデザーナーの2人が携わっています。もしかしたらLSR/CITYのライブにはこの2人が関わっているかもしれません。
話をこの曲に戻しましょう。この曲は彼が今年にリリースするアルバム Analogのクロージングトラックになっています。彼はライブの最後にクロージングトラックをよくかけていて、先月位に「ライブの最後にかける曲を変えようと思ってる」と発言をしていたので、今回以降のライブではこの曲がライブの最後に流れる曲となります。Eliseが聴けるライブはもうないのでしょうかね...
そういえば、LSR/CITYのインスタの投稿を確認してみたところ4月にこの曲の一部が公開されてましたビックリです。
そして、今年の9月24日。LSR/CITYをバージョンアップしたセットLSR/CITY V2がロサンゼルスで初めて行われました。名前の通りLSR/CITYを進化させたもので、レーザー機器の数も増えています。是非ともこれを日本でもやって欲しいですが、まぁ会場の規模的な問題で無理でしょうね。幕張とかピッタリですが、LSR/CITYの為だけに使うのは集客的な問題で無理な気がします。てか日本ってレーザーの法厳しいんでしたっけ? イギリスは厳しいらしいですね...
前回のEliseではクロージングトラック初のボーカル付曲となり、今回もボーカル付曲となります。ですが、HardwellのBroken Mirrorみたいな歌っているというより語っている感じです。彼にとってもかなり挑戦的な曲になったのではないでしょうか。
ちなみにこの曲LSR/CITYとLSR/CITY V2で披露したバージョンと、Metropolis 2022とLuminosity Beach Festivalで披露したバージョンは少し違いがあります。前者は少し長めでドロップが2つあります。後者は少し短めのバージョンです。現在(2022年11月13日)YouTubeの公式で上がってるライブ映像は全て後者のものです。公式リリースされるのは前者になります。
歌詞&和訳
It's getting dark
周りが暗くなっていって
We've reached the end
僕達は終焉を迎えた
We've come a long way together you and me
僕達は長い道のりを共に歩んできた
But I'm looking at all the colors in the sky
でも、ふと空に広がる色を見上げてみたんだ
As sun is setting over the horizon
太陽が地平線に沈んだ時
And I'm feeling like
こんな事を感じたんだ
This is the end of an era
これは時代の終わりなんだって
The end of an old era
古い時代が終わると
And the beginning of a new one
新しい時代が始まる
And that's OK
でも大丈夫さ
So be in the now
今を生きてみようよ
Feel the last touch of light as the world turns again
世界が再び動き出す時、光の感触を感じてみよう
Sense the cold chill of the wind against your skin
肌に触れる風の冷たさを感じてみよう
Watch the lasers dancing through smoke on a stage far away
遠く離れたステージで、煙の中を舞うレーザーを見てみよう
Feel the bass racing across the desert night
砂漠の夜を駆け抜ける低音を感じてみよう
Tonight is tonight
今夜は今夜しかないのだから
And tomorrow we'll wake up and ask each other
明日になって目を覚ましたら、 互いに問いかけてみるんだ
Where do we go from here
ここから僕達はどこへ行くんだろう
Tonight though is you and me
でも今夜は君と僕とで
We're gonna live in the moment experience the now
今を生きるんだ、今を経験するんだ
Forget fear
恐怖を忘れて
Forget politics
どんな事も忘れるんだ
Life isn't life when you're terrified of death
死を恐れていては人生とは言えない
And death is the one thing that's guarantead for us all
死は僕達にとって避けられないものだから
So we're gonna live
だから今を生きようよ
We're gonna jump off cliffs into oceans
崖から海に飛び込むんだ
Take planes to faraway places
飛行機に乗って遠くへ行くんだ
Find friends, new lovers
友達を見つけて、恋人を作ろう
Stay up late talking shit about everthing and nothing
夜更かししてくだらない話や色んな事を話して
Follow the music wherever it takes us
どこまでも音楽を追いかけてみよう
Because tonight is tonight
この瞬間は今しか無いのだから
And tomorrow we can decide
明日は僕達が切り開く
Where do we go from here
僕達はこれから何処へ行くんだろう
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この曲が初披露されたのが今年の5月19日。そしてリリースされたのが11月18日。リリースまでに6か月もの期間があったんですね。彼の曲の中でこんなリリースまで期間が長いのはこの曲が初めてなのではないでしょうか。
それと最後に。この曲は彼の音楽キャリアの中でリリースする最後のアルバムであるAnalogに収録されるクロージングトラックです。という事は彼の最後のクロージングトラックという訳です。Driveに始まり、100 Reasons to Live, Kingdom United, The LasersそしてAnalog。Long Way Home, Sansa, Kingdom United, EliseそしてWhere Do We Go From Hereといった物語はここで一旦終わりを迎える訳です。ですが、この歌詞にもある様に"時代が終わるという事は新しい時代が始まる"という事です。Analogは終わりでは無く、彼にとってはこれが始まりという事です。Where Do We Go From Hereという言葉は正にこの終わりの始まりに相応しい言葉なのではないのでしょうか。僕達はこれから何処へ行くんでしょう。